もかぷりんのゲーム会社の背景屋ブログ

もかぷりんのはてなブログ

ゲーム会社で働いて思っていることとか、オタク系活動など。

今さらだけどCEDEC2019の感想をまとめておく

どうもルンバです。

CEDEC2019の感想を今さらですが、まとめます。

全体の個人的感想

例年に比べると「これみんな聞きに行くんだろうな」というビックタイトルはなかったですね。その中でも大きいところはスマブラでしょうか。

Switchは現世代ハードとしてはスペックが微妙ですので、新しい技術トピックという感じでは無いですが、丁寧で非常に面白いセッションでした。

また、CEDEC全体的にここ数年は、技術よりも運営や発想術などの企画寄りの話が増えてきていると感じます。

 

また、これは私の周りだけかもですが、

Youtubeでリアルタイム視聴できるせいか、今年は行かないで視聴しています、という人が多かったのも印象的。

私の会社はCEDECチケットを言うのも恥ずかしいぐらいの枚数しかくれませんので、今年は若手に託そうとおもっていました。

が、なにやら余りそうということで今年も行けました。ラッキーというか、みんな外の世界に興味が無いのは悲しいというか…微妙な気持ちです。

また、最終日はTAの飲み会的なものに突撃してきまして、社外の人と沢山話せたことが刺激的で非常に楽しかったです。

内心超~緊張しました。完全ボッチで行ったので。

大阪のGCCも一人で行って、頑張ってパーティーでいろんな方とお話ししてきたので、大分度胸がついてきたかもしれません。もう「ひとみしりなんで…」とか言っても可愛くない年なので^^;

面白かったセッションの紹介1 スマブラのセッション

スマブラは以下2本のセッションを見てきました。

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~3Dグラフィックスの絵作り

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~お借りしたIPをできるだけ綺麗に描くために

一本目については以下記事に詳しく紹介されていますので内容は略。

www.4gamer.net

 

キャラクターデザインについてや背景デザインについても面白かったのですが、

私は以下のライトの構成を順に追っていくスライドが興味深かったです。

※詳細スライドはCedilから落とすことができます。

f:id:mokapurin:20190923214957j:plain

スマブラ ライト要素

このライティングは

太陽光/環境光/映り込み/リムライト/影/レフ板/ブルーム/ルックアップテーブル

の8つの要素で構成されているのですが、

これらを自分の手元のソフトやツールで再現するにはどういうふうにすればいいか?

と考えながら見ると、非常に面白かったです。

ちなみに会社に戻ってから早速やりましたけど、超勉強になります!

ライティングを教えるとっかかりになるなーと思ったので、

「このライティングを別ツールでやるにはどの機能か」ということで社内で共有会をしたりしました。

他のゲームでも成分を考えて、模写ライティングしてみたいですね。

 

2本目のセッションはエンジニアマークだったのですが、わりとシェーダーの小技とかが紹介されていたので、アーティストに十分役立つセッションでした。

f:id:mokapurin:20190923220605j:plain

面白かったセッションの紹介2 Project Awakeningのハイエンド背景手法

フォトグラメトリーとプロシージャルを用いた最新ハイエンドゲーム3DCG背景制作手法 ~ハイエンドゲーム開発の経験がない会社がいかにしてそれらを生み出したか~

こちらも全体の内容はイイ感じの記事にまとまっていたのでこちらで…

www.gamebusiness.jp

特に気になった項目を上げます。

・フォトグラメトリーとプロシージャルのバランス

フォトグラメトリーをやってみると、このセッションのように壁にぶち当たって、「全部できない」となるのはあるあるではありますが、

それを「一部フォトグラメトリー」で済ませずに、「全部フォトグラメトリーの品質にみえるように、プロシージャル技術を取り入れてハイブリット化する」

という思想は素晴らしいなと思いました。

f:id:mokapurin:20190923223436j:plain

・ツールや技術に振り回されないリテラシーを持つこと

最近はほとんどのPS4相当プラットフォームがPBRシェーダーになってきていますが、

またPBRも「『知っている』と『できる』の間には雲泥の差がある」とおっしゃってましたが、『やる』っていう事はやはり大事ですよね。

今PBR素材って、無料のものなどが逆にどんどんでてきているので、よくわからないまま使っちゃうケースがあるんですよね。

やらなきゃなー、やらせなきゃなーと思いました。

まさにそれが、「ツールや技術に振り回されないリテラシーを持つこと」ですね。

「自動化ツールも本当にそのやり方があっているか疑ってみろ」というのも、非常に刺さる話です。

f:id:mokapurin:20190923223507j:plain

f:id:mokapurin:20190923223602j:plain

・アート力を磨くには写真を勉強するべし

Cygamesさんでは写真部を作って、カメラスキルのアップをしているそうです。

すばらしいですね…

写真部つくりたいですね、これは。

構図取りの反射神経も鍛えられますし、ライティングはレンズの光学特性を知らないと効果的に付けることができません。

ライティングパラメータは、よくわかってなくても付けられちゃうからこそ、
正しい知識の裏付けが必要です。

私は趣味で一眼使っていますが、本当に趣味レベルなので、もうちょっとキッチリ勉強しないといけないなーと思いました。

・あたりまえをしっかりやる、そしてマインド

背景のをうまく見せるコツとして、直線ブレイクや大中小の補足など語られていましたが、これはスグに役立つ知識ですね。付箋でPCに貼っときましょう。

 

f:id:mokapurin:20190923223815j:plain

最後に、マインドについて話されていましたが、

これ、熱かったですね。はじめてCEDECでちょっと泣いてしまいましたよ!

 

f:id:mokapurin:20190923224128j:plain

「マインドを持つことは0円、今すぐにでもできる」

「お客様に楽しんでもらう、そのために根拠なき自信を持つ」

それが実は一番大事な事ですよね。

どんな技術があってもツールがあっても、

「イイものにしていきたい!」っていうマインドが無かったら使わないですし、

「どうせ使えないかも…」の自信のないネガティブマインドだと、ツールの検証もいい方には絶対に行かないんです。

ツールの検証って、面倒だし、確約のない中でやるので不安で大変な作業なので、
本当にこのマインドは大事だなーと思ったら、なんか泣けました。

ということでまとめ

なんだかんだいってCEDECにいって直に話を聞くことは非常に刺激になります。

登壇者の人に直に質問できるし、本当に貴重な機会です。

タダでYoutubeリアルタイム見れるありがたみは噛みしめつつ、もしチケットをゲットできるありがたい境遇の方は、是非とも会場に足を運んでいただきたいです。

以上、ちょっとグダグダかいてしまいましたがCEDEC感想でした。

IT・Web・ゲーム業界のエンジニア転職なら【Tech Stars Agent】